家庭教育コラム No.9

No.9 あのね、けいこ先生! vol.1「イライラしてしまうんです…」

お悩み相談の内容

Aさん:ついカッとなって怒ってしまうことがあるんです。「ごめんなさい…」と小さな子どもが言うと心が痛みます。イライラしたくないけど難しい…。
Bさん:イライラしているときに子どもが甘えてくると怒ってしまいます。
Cさん:常に時間を意識して、自分の思い通りにことが進まないとイライラを子どもにぶつけて叱ってしまいます。

けいこ先生より

イライラして怒ってしまうこと、ありますよね。その度に深く落ち込んで反省する。私もしょっちゅうです。でも、子どもたちはお母さん、お父さんのことが大好きです。こんな風に悩みを打ち明けてくださる、どうぞそのままの、お母さん、お父さんでいてください。
さて、お伝えできることその1。怒る前に6つ数える、怒りそうになったらその場から逃げる。その2。イライラの背景を分析して、できることを改善する。1つだけでいいと思います。「子どもの朝の準備にイライラ」は保護者がちょっとだけ早起きする、「夜寝る前の準備にイライラ」は保護者がちょっとだけ早く帰宅する、「夕食を食べなくてイライラ」はテレビを消す、夕食の量を減らすなど。その3。本当に大事なことは何なのかを、少し立ち止まって考えて、優先順位の低いことを1つだけあきらめる。全てを完璧にこなすことは誰にもできないから…。その4。イライラしていない時に「生まれてきてくれてありがとう」「大好きだよ」ということを、言葉と態度で丁寧に丁寧に伝える。その5。家族で連携する、家族の誰かが怒ったとしても、他の家族が子どもの側にいてくれるといいのかな。その6。保護者も人間、イライラする時もあるもんだと割り切って、イライラしてしまう自分を責めすぎない。
イライラしてしまう自分を何とかしたいと思いながら、子どもとともに過ごしてくださる全てのお子さまと保護者の皆さまが、毎日を幸せに過ごせますように、心から願っています。

けいこ先生

金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、子どもの発達を踏まえた保育、教育を研究。
自身も現在、小学生と中学生の3児の母として子育て奮闘中。