家庭教育コラム No.10

No.10 あのね、けいこ先生! vol.2「わがままで甘えん坊な我が子」

お悩み相談の内容

4歳の子どもがわがままで言うことを聞いてくれず困っています。心が満たされないのかな…。けっこう受け止めてあげているのに、とっても甘えん坊です。

けいこ先生より

お子さんは、きっとお母さんが大好きなのですね!さて、「わがまま」の内容はどのようなものでしょうか。お母さんやお父さんと一緒にいたいという思いが見え隠れする「わがまま」であれば、とことんまで受け止めるというのもいいのかなと思います。
児童精神科医の佐々木正美先生は、『続 子どもへのまなざし』(福音館書店,2001年)の中で「どんなにだっこやおんぶをしてあげたって、子どもはいつか『もういい』といいますよ。子どもはみんな、自分の足で走りたいし、自分のことは自分でやりたいものなんです」「子どもがそれによって依頼心が強くなり、自律心がそこなわれるということはありません」と紹介しています。

ただ、「あれを買って!」「ゲームがしたい!」という『もの』にまつわる「わがまま」については、ちょっとだけ注意が必要かもしれません。再度、佐々木先生の言葉です。「『もの』以外での要求をたくさん満たしてあげていれば、それだけ子どもは『もの』を要求しないものだと。(中略)お金ではなく、心や手をかけるということです。そのやり方は、それぞれの家庭でいろいろあると思います」「親が自分の手づくりでこたえればこたえるほど、他でつくられた『もの』を要求しないものだと思いました。手づくりでというか、気持ちでというか、自分の心や体や時間でといってもいいですね」
『もの』ではなく、保護者が自分の心や体や時間をつかって子どもの気持ちにこたえること。買って与えた方が楽で助かるという一面もある現代の子育てですが、そのことを冷静に受け止めながら、時に活用しながらも、それぞれの家庭で『手づくり』の関わりができるといいなと思います。

全てのお子さまと保護者の皆さまが、毎日を幸せに過ごせますように、心から願っています。

けいこ先生

金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、子どもの発達を踏まえた保育、教育を研究。
自身も現在、小学生と中学生の3児の母として子育て奮闘中。