家庭教育コラム No.27 「反抗期とは言え「ありがとう」なしは悲しいです」
あのね、けいこ先生! vol.19「反抗期とは言え「ありがとう」なしは悲しいです」 〔8つのすすめ 6〕
お悩み相談の内容
反抗期まっただ中で、「ありがとう」なんて素直な言葉を聞けないお年頃と頭ではわかっていても、悲しくなったり、イライラしたりしてしまいます。
(中学生の保護者)
けいこ先生より
悲しくなったりイライラしたり、ありますあります!毎日お疲れさまです。本当にありがとうございます。
保護者さんの気持ちがちょっと前向きになるようなこと、何かないかな…。
お子さんが幼かった頃の写真をながめてみる、お子さんが幼い頃の作品や手紙を手にしてみるなど、いかがでしょうか(そうするのも、ちょっと元気が必要ですかね)。
お子さんが、自分の言葉で「ありがとう」と伝えることはあまりないのかもしれないけれど、心のなかではつぶやいているんじゃないかなぁ。保護者さんへの感謝の気持ちを、黙って行動で示しているということもあるかも。あるいは、今は、自分のなかの「ありがとう」に気づくことができていないのかもしれないけれど、自立に向けて過ごすなかで、いつの日か、保護者さんへの「ありがとう」で心がいっぱいになる日が訪れると思います。
そして、私たちは子どもたちに「ありがとう」と伝え続けていけたらいいなぁと思います。無理せず、できる範囲で。この夏のお盆に帰省した時に、私の弟も義妹も、自分の子どもたち(私にとっては甥、姪)に、折に触れ、丁寧に「ありがとう」と伝えていました。甥、姪は大学生と高校生。反抗期を過ぎつつある時期だから、できたことなのかもしれませんね。保護者から子どもたちへの「ありがとう」の言葉が、そこにあるすべてを温かく包み込む場面に立ち会い、とてもとても感じ入りました。
すべてのお子さまと保護者の皆さまが、毎日を幸せに過ごせますように、心から願っています。
家庭で子どもを育むための8つのすすめから
今回のご相談は、金沢市教育委員会の家庭教育に関する指針『家庭で子どもを育むための8つのすすめ』の「6 伝えよう 心のこもった「ありがとう」」に関連するご相談かと思います。どうぞお時間のありますときに、『8つのすすめ』もご覧ください。
金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、保育、教育の実践と研究に広く携わる。
自身の子供は思春期爆走中。