家庭教育コラム No.24
No.24 あのね、けいこ先生! vol.16「子どもの夢を応援するには大人はどうしたらよいでしょうか。」
次回は令和4年2月25日掲載予定
お悩み相談の内容
子どもの夢を応援するには大人はどうしたらよいでしょうか。
けいこ先生より
お子さんに対する温かい期待と願いが伝わって参ります。子どもの夢を応援することは、保護者の面目躍如たる機会の一つですよね。
既に夢が明らかである場合は、実現のために今できることを一緒に考えて、取り組みを支援することになるでしょうか。今から夢を見つける場合は、お子さんの好きなこと、得意なことをきっかけに、話し合ったり、体験したりするのもよさそうです。今は「子ども向けの仕事に関する楽しい本」が数多く出版されていますので、一緒に選んで購入したり、購入することはなくてもそういう情報があることを伝えたりなど、できるかもしれません。
一方で、「夢はない」「以前はあったが、今はない」「そういう話はしたくない」という反応もあるかもしれません。小学校高学年になるにつれ、自身を客観的に認識することができるようになります。夢の実現可能性が少し見えてくることも、あるかもしれません。思春期の訪れに伴う保護者との関係性の変化から、それまでのように会話が成立しなくなることもあるでしょう。その他にも、「周囲が期待するような内容ではないから、言いたくない」ということもありそうです。私の弟の将来の夢は「家庭をつくり、子どもの父親になること」でした。ですが、小学生、中学生の頃は、恥ずかしくて誰にも言えなかったそうです(余談ながら、彼は夢を叶えることができました)。
「夢」って、全ての子どもが必ず持っていないといけないもの、でもないのかもしれません。昨今、「将来の夢を持つように」「職業選択を意識するように」という圧力が、年々強くなっているように思います。そのために苦しい思いを抱き、隅の方に追いやられている子どもがいる(かもしれない)ことを、私たち大人は知っておいてもよいように思います。
今、夢がなくても大丈夫、どんな夢でも大丈夫、いつでも夢を持てるように、いつ夢が見つかってもいいように、もし夢が見つからないとしても「自分らしく生きていくこと」を夢にできるように、私たち大人ができることは、きっとあると思います。
全てのお子さまと保護者の皆さまが、毎日を幸せに過ごせますように、心から願っています。
家庭で子どもを育むための8つのすすめから
今回のご相談は、金沢市教育委員会が提案する『家庭で子どもを育むための8つのすすめ』の「8 支えよう 子どもの夢と可能性」につながるご相談かと思います。どうぞお時間のありますときに、『8つのすすめ』もご覧くださいね。
金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、子どもの発達を踏まえた保育、教育を研究。
自身も現在、小学生と中学生と高校生の3児の母として子育て奮闘中。