家庭教育コラム No.13

No.13 あのね、けいこ先生! vol.5「子どものためにどこまでしてあげればいいのかな?」

お悩み相談の内容

どこまでしてあげるのが本人のためになるのか迷うことがあります。全部やらせるべきか、ある程度手伝うべきか。

けいこ先生より

ご質問から、お子さんの様子を日頃からよく見ておられて、何がどこまでできて、どこからが難しいのかということを、丁寧に読み取ろうとなさっている保護者の皆さまの様子が、とてもよく伝わって参ります。さて、ご質問への回答としては、「状況に応じて柔軟に」ということになるでしょうか。これもまた曖昧な回答で本当に申し訳ないことです。

・お子さんが独力で課題をこなすことが明らかに難しい場合は、保護者の支援が必要かもしれません
・お子さんが独力でできる範囲を丁寧に把握し、自分でできることは、たとえうまくいかないことがあったとしても、
 本人に任せてもよいかもしれません
・お子さんが独力でできる範囲を丁寧に把握し、保護者やきょうだいと一緒ならできる課題に、
 みんなで取り組むというのもおもしろいと思います
・お子さんの成長を踏まえながら、支援を徐々に引いたり減らしたりしてもよいかもしれません
・できるようになったことが、何かの拍子にできなくなるということも、ままあることのようです
・支援の程度や内容は、お子さんの成長を考えながら、折々に見直してみてください
・「手伝わないと決めたら絶対に手伝わない」ということではなく、柔軟に臨機応変に対応していただければと思います
・本当は自分でできることでも、時には保護者が思いっきり手伝うこともあってもいいと思います

子どもの成長はあっという間と感じる一方で、その成長は、右肩上がりにまっすぐ進むということでもなさそうです。できたりできなかったり、進んだり後戻りしたりを繰り返しながら、日々の暮らしとともに成長はゆっくりと続いていきます。全てのお子さまと保護者の皆さまが、毎日を幸せに過ごせますように、心から願っています。

けいこ先生

金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、子どもの発達を踏まえた保育、教育を研究。
自身も現在、小学生と中学生の3児の母として子育て奮闘中。