家庭教育コラム No.15

No.15 あのね、けいこ先生! vol.7「早寝早起きがよいことはわかっているのだけれど…」

お悩み相談の内容

大人の生活リズムと子どもの理想的な生活リズムが全然違うので、正しく健康的に生活させることができているのか不安です。

けいこ先生より

子どもたちも保護者の皆さまも、何やかやと忙しい昨今、「理想的なリズム」を守りながらの生活、とても難しいですよね。このコラムでは、「睡眠」について触れさせてください。

石川県教育委員会が、小学校1年生の保護者を対象に「肝心かなめの1年生 -子育ては脳育て-」というパンフレットを作成し、小学校を通じて配布しておりまして(石川県のサイトでも公表しています)、睡眠について「夜11時~2時ぐらいのあいだに成長ホルモンが盛んに分泌されます。夜10時には熟睡できていることが大切です」「学習したことや経験したことが整理整頓され、記憶されます」と紹介しています。「睡眠」は、身体の成長のみならず、脳の成長にも必要であり、学習にも影響を及ぼすということは、あまり知られていないことかもしれませんね。小学生は1日9時間の睡眠が必要であるとのことで、そうすると、遅くとも午後9時には布団に入ることができるとよいのかなと思います(もちろんもっと早くてもよいわけです)。ちなみに、NPO法人アメリカ睡眠財団(The National Sleep Foundation)は、3~5歳は10~13時間、小学生は 9~11時間、中高生は8~10時間の睡眠が必要であると報告しています。

しかし!そうは言っても、午後9時前に就寝なんてとんでもない!というご家庭もあるかと思います。何とか工夫して、10分でも早く床に就くことができるとよいのかな…。例えば、夜の残りの家事は翌朝にする!食事の準備も片付けもシンプルに!他にも抜けるところは家事の手を抜く!そして、就寝前はスマホ、タブレット等に触れない!それらを寝室に持ち込まない!その一方で、「早く寝させなければ…」と焦ってイライラしてしまっては、何だかもったいないので(もちろん、私、経験済みです)時と場合によっては、就寝時間を守ること(守らせること)を上手にあきらめることもあってもよいのかもしれませんね(すっかりあきらめましょうということではなく)。全てのお子さまと保護者の皆さまが、毎日を幸せに過ごせますように、心から願っています。

けいこ先生

金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、子どもの発達を踏まえた保育、教育を研究。
自身も現在、小学生と中学生の3児の母として子育て奮闘中。