家庭教育コラム No.23

No.23 あのね、けいこ先生! vol.15「子どもが理解できるような、上手な叱り方がわかりません。」

次回は12月24日掲載予定

お悩み相談の内容

だめなことはだめと子どもが理解できるような、上手な叱り方がわかりません。強く言えばびっくりして話が耳に入らないし、優しく言えばなめられます。

けいこ先生より

お子さんに大切なことを教えようと、真剣に向き合っておられるご様子がうかがえます。相談者さんの思いは、きっとお子さんにも伝わっていると思います。

子どもは、つい注意したくなる行動をとりがちかと思いますが、そうした行為の全てを正そうとすることは、難しいかもしれません。相談者さんにとって、「絶対にしてはならないこと」とは、どのようなことでしょうか。そのことについては、強い姿勢で伝えてください。感情的にならず静かな声で理由を伝えた方がよい時もあれば、大きな声を出してでもその行為をすぐに止めた方がよい時もあります。その一方で、「よくよく考えたら、絶対にしてはならないというほどでもないこと」については、大目に見ていただいてもよいのかもしれません。我が家の「絶対にしてはならないこと」は、「他者を傷つけること」と「自分を傷つけること」です。「絶対にしてはならないこと」の基準は様々であると思いますので、どうぞご家族で話し合ってみください。「絶対にしてはならないこと」については、家庭において、人によって判断が異なるということは、あまりない方がよいと思います。同様の状況でありながら、注意されたりされなかったりしますと、お子さんが戸惑ったり、わからなくなったりするかもしれません。「絶対にしてはならないこと」以外については、その限りではありません。

それから、お子さんが相談者さんを「なめている」ということは、おそらくないと思います。お子さんが本当に伝えたいことは、他にあるのかもしれません。「何を言っているのか、わからないよ」「どうしてそれがいけないの」「友だちも、大人にそんな態度をとっているけど、私はどうしたらいいの」「甘えてみたら、怒るのやめてくれるかな」「また注意された、もういやだ」「もうふざけるしか、逃げ道がない」「少しでも早くこの場から離れたいよ」「お父さん、お母さん、もっと笑って」など、お子さんが本当に伝えたいことを、可能な範囲で構いませんので、少しだけ考えてみてくださいね。

全てのお子さまと保護者の皆さまが、毎日を幸せに過ごせますように、心から願っています。

家庭で子どもを育むための8つのすすめから

今回のご相談は、金沢市教育委員会が提案する『家庭で子どもを育むための8つのすすめ』の「2 きちんと守ろう 社会のルール 大人が手本」につながるご相談かと思います。どうぞお時間のありますときに、『8つのすすめ』もご覧くださいね。

家庭で子どもを育むための8つのすすめ(PDFファイル: )

けいこ先生

金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、子どもの発達を踏まえた保育、教育を研究。
自身も現在、小学生と中学生と高校生の3児の母として子育て奮闘中。