家庭教育コラム No.4

No.4 家庭から始めよう!心の伝達

人の社会が文化・技術等を伝承しながら進んでいくと同様に、情緒の世界も家庭での育児体験を通して親から子どもへと伝えられていくことが知られていて、これを「心の世代間伝達」と呼んでいます。子どもを育てるときには親自身が受けてきた育児体験が「無意識」に影響するといわれているのです。
思いやりの心を持つ親から育てられた子どもは、心に思いやりの種が蒔かれ、やがて自分も周囲の人も共に大切にする心の花が育っていくのです。この花は人と関わるときの大切な基盤です。
ここで、知って欲しいことがあります。先ほど、「無意識」という言葉を使いましたが、ということは、「意識すること」によってもこの種を子どもの心に蒔くことができるということです。もし、自分の親からこの種を蒔いてもらえなかったとしても、この種の大切さを理解して、「意識」して我が子に蒔くことによって、この花を大きく咲かせることができるのです。どのような育児体験を持つ親にも「意識」してほしい大切なことです。
家庭で子どもの心にたくさんの種を蒔いていきましょう!

寺井 弘実

臨床心理士