家庭教育コラム No.5

No.5 早寝早起き朝ご飯

私の実家は、祖父母が兼業農家で鶏舎があり、一番早起きをして、まだ温かい「産み立て卵」を取ってきた子どもにだけ、ご褒美として朝ご飯に卵がもらえた。ご褒美で食べる「卵ご飯」の美味しさは、格別だった。負けると、「ふりかけご飯」で、悔しかったことを覚えており、今でもスーパーでそのふりかけを見ると、光景が蘇るので、くすっと笑えてくる。
後に、教育者でもあった祖父から、あれは「早起きの徳」を教える仕掛けだったと聞かされ、なんと微笑ましい仕掛けだろうと感服した。
やがて、私も親になり、「何か我が子の記憶に残る仕掛けがしたいな」と思った。それが、保育士さんに教えていただいた「夜21時に寝る前15分の本の読み聞かせ」だった。夫との約束で、良書を置く本屋さんで、保育士さんお勧め絵本を毎月給料日に購入し、三人の子どもたちにそれぞれ手渡し、小学校を卒業するまで根気強く、継続した。
後に、「本当は、高学年になると、21時に寝れなかった。けれど、仕事で疲れてヘロヘロになっていても、必死で演技して絵本を読む親を観ていて、電気を消した後に、寝たふりをして三人でコソコソ遊んだのも思い出になっている。」と聞かされ、「我等ながらよく頑張ったよね」と、当時の自分たち夫婦を褒めてやりたいと思う。
というわけで、次号は「ありがとう」について、です。ごきげんよう。

馬渡 徳子

医療ソーシャルワーカー