家庭教育コラム No.8

No.8 子どもが伸びるためには

私は約40年教育に携わり、多くの子どもと接する中で、一人一人の子どもには豊かな資質が備わっていると感じてきました。子どもが持っている資質を伸ばしたり、開花させるためには大切なことがいくつもあります。その一つが子どもの周りにいる大人の存在であると思います。子どもは、身近にいる大人の言動から様々なことを吸収しています。学校では教師が、家庭においては、お父さんやお母さんが、子どもにとって学びの対象としての大人のモデルです。
子どもは、最も身近な大人であるお父さんやお母さんの生き方や、仕事への取り組み方、普段の言動などからごく自然に多くのことを感じ取り、学び取っています。子どもが親の態度や、親の話を聞いたことをきっかけとして視野を広めたり、考え方を代えたりすることはよくあることです。「親の背を見て子は育つ」という言葉がありますが、社会の変化がめまぐるしい時代において、「親の背(親の態度)」はもちろん大切ですが、これだけでは子どもの成長にとって十分ではないと思います。お父さんもお母さんも忙しい日々を過ごされていると思いますが、時折、子どものために時間をとって、生きることの喜びやたいへんさ、仕事における喜びやつらさなどを直接話してはいかがでしょうか。
親が子どもに話すということは、子どもが伸びるためにとても大切なことです。

寺井 雅樹

金沢市教育プラザ研修相談センター
所長補佐