家庭教育コラム No.31 「自己肯定感が低いようで心配です」

あのね、けいこ先生! vol.23「自己肯定感が低いようで心配です」 〔8つのすすめ 4〕

お悩み相談の内容

子供は自己肯定感が低いようで心配です。自己肯定感を高める関わり方について教えてください。
(小学校低学年の保護者)

けいこ先生より

 心理学領域では「自己肯定感」という用語はあまり使用されていないのですが,一方で「自己効力感(self-efficacy)」や「自尊心(self-esteem)」の研究が蓄積されています。「自己効力感」は「行動や成果を求められた時に,自分はこういうことができる!という実感」のこと,「自尊心」は「自分は今のままで,ほどほどにいい感じだよね!という感覚」のことです。調べてみると,「自己肯定感」は「自尊心」と同じ意味で使われることが多いようですので,ここでは「自尊心」を参照しながら考えますね。

 さて,「お子さんの自己肯定感(自尊心)が低いよう」とのことですが,保護者さんがそう感じる出来事があったのかな?自己肯定感(自尊心)が低いということは,「自分は今のままでは全然ダメだ,生きる価値がない,消えてしまいたい」と思っているということになりますが,いかがでしょうか。例えば,「初めてのことに対して消極的である」からといって,「自己肯定感(自尊心)が低い」ことにはならないかもしれないですね。

 そして,自己肯定感(自尊心)が(少しぐらいなら?)低くてもいいんじゃないかなぁと思う私もいます。私自身,自己肯定感(自尊心)が高い子どもではなかったように思います。昭和の田舎の厳しい両親の元で育ちましたし,持って生まれた私自身の性格も関係しているのかもしれませんね。ただ,同居していた祖父母はいつもあたたかく受け入れてくれました。

 私は「行く末を示し教え諭す両親」と「来し方を慈しみただ側にいる祖父母」に育んでいただいて,幸運だったなぁと思います。今を生きる保護者の皆さんは(もちろん私も含めて),どちらの役割も求められているように思いますが,ちょっと無理な話ですよねぇ…。ただ,保護者さんが「自己肯定感(自尊心)が高い子どもになるように…」と願うことは,もしかしたら,お子さん自身が「こんな自分がいい感じなんだよね!」と自分で思うことから遠ざけているかもしれない…と思います。お子さんが,「自分は今のままで,ほどほどにいい感じだよね!という感覚」を抱くことができるように,保護者の皆さんにできること,見つかるといいなと思います。

 すべてのお子さまと保護者の皆さまが,毎日を幸せに過ごせますように,心から願っています。

家庭で子どもを育むための8つのすすめから

今回のご相談は、金沢市教育委員会の家庭教育に関する指針『家庭で子どもを育むための8つのすすめ』の「4 創ろう あたたかい家族のふれあい」に関連するご相談かと思います。どうぞお時間のありますときに、『8つのすすめ』もご覧ください。

家庭で子どもを育むための8つのすすめ(PDFファイル: )

けいこ先生

金沢大学人間社会研究域学校教育系 教授 滝口 圭子(たきぐち けいこ)氏
発達心理学を専門とし、保育、教育の実践と研究に広く携わる。
自身の子供は思春期爆走中。